CATEGORIES
SELECTED ENTRIES
RECOMMEND
ARCHIVES
SEARCH
OTHERS
<< ぶっとおし | HOME | 逃避 >>

▼ コメントに飛ぶ ▼

2009/08/09 23:40  ★海辺のカフカ / 村上春樹

「ねえ大島さん、ひとりでいるときに相手のことを考えて、哀しい気持ちになることはある?」
「もちろん」と彼は言う。「おりにふれてある。とくに月が蒼く見える季節には。とくに鳥たちが南に渡っていく季節には。とくに―」
「どうしてもちろんなの?」と僕は尋ねる。
「誰もが恋をすることによって、自分自身の欠けた一部を探しているものだからさ。だから恋をしている相手について考えると、多少の差こそあれ、いつも哀しい気持ちになる。ずっと昔に失われてしまった懐かしい部屋に足を踏み入れたような気持ちになる。当然のことだ。そういう気持ちは君が発明したわけじゃない。だから特許の申請なんかはしないほうがいいよ」 


今回はあまりに主人公が白くて幼い。
大島さんも好きだけど星野くんがすき。


「俺はゆうべつくづく悟ったんだ。まともじゃねぇことをまともに考えたって、考えるだけ無駄だってさ」
「賢明な結論だ。『下手の長考、休むに似たり』という言葉がある」
「いい言葉だね」
「含蓄がある言葉だ」
「『ヒツジ年の執事は手術の必需品だ』という言葉もある」
「それはなんだ、いったい?」
「早口ことばだよ。俺がつくった」
「それをここで今もちだす必然性みたいなものはあるのか?」
「なにもないよ。ただ言ってみただけだ」
「ホシノちゃん、お願いだから、そういうくだらないことを言わんでくれ。だんだん頭がおかしくなってくる。私はその手の方向性のない無意味さに弱いんだ」
「そりゃすみませんね」と青年は言った。「でもさ、おじさん、俺っちになんか用事あるんじゃないの?」


「俺にも詳しい事情はよくわからねえんだ。ある筋からとくべつ情報が入ってきた。ここを引き払うようにってさ。警察が俺たちのことを探している」
「そうでありますか」
「そういう話だった。でも、ジョニー・ウォーカーさんとのあいだに、いったい何があったんだい?」
「ええと。ホシノさんにそのことは申し上げませんでしたっけ?」
「いや、申し上げてないね」
「申し上げたような気がしていたのですが」
「いや、肝心なことは聞いてないよ」
「実を申しますと、ナカタはジョニー・ウォーカーさんを殺しました」
「冗談抜きで?」
「はい。冗談抜きで殺しました」
「やれやれ」と青年は言った。


「ナカタはそれをなんとか探し当てねばなりません。もちろんホシノさんにいつまでも手伝っていただけるわけもありませんし、あとはナカタがひとりで歩いて探します」
「まあそれはともかく・・・」と青年は口ごもった「しかし、石さんももう少し詳しい新設な情報を与えてくれねえもんかね。だいたいどのあたりとかさ、だいたいでいいんだけどね」
「申しわけありませんが、石さんは無口なのです」
「そうか、石は無口ときたね――見かけからしてだいたいの想像はつくよ」と星野青年は言った。
「石さんはきっと無口で、水泳がことのほか苦手なんだろう。まあいい。今更なにも考えるまい。ぐっすり眠って、明日になったらまた続きをやろう」


星野くん出てきたら会話のテンポが急速に上がる。
星野くんの出てくる会話を全部挙げたいくらいおもしろい。

ただ、主人公にはあまりハマらなかった。
まるっきり全部、こころの内部で起こってることで
少しついていきづらいとこもあった。
ただ恋するせつなさは細かく描かれててよかった


だれも死なずにすんだりしないのかな、て思ったけど
どうやっても現実にとどまれないひとたちがいる
いつも同じだ
どの本も結末はいっしょ。

でもやっぱし断然
ダンスダンスダンスとノルウェイの森だなぁ。

2020/01/12   スポンサーサイト